【恋愛や仕事でも使える】通販の顧客行動管理

本記事のターゲット

(顧客という言葉を恋愛対象者に変えて考えると恋愛の戦略立案にも活用できます。)

通販顧客の行動の管理のしかたが分からない。どのくらいレスポンスや受注があるのか予測をしたい。

こういった疑問を解決します。

目次

  • 顧客管理について
  • 1.RFMの言語とその定義
  • 2.RFMを活用する理由
  • 3.RFM値の基準値の作り方
  • 4.RFMの具体的な見方
  • 5.顧客ランクと顧客クラスタ
  • 6.受注・損益分析


私は東証一部上場企業で10年間データ分析を経験した内容の一部です。

顧客の行動管理について

結論から言いますと、RFMという指標で顧客を見るということです。

通販(無店舗販売、ダイレクトマーケティング)を実践するに当り、「基本」かつ「重要」な概念・手法です。言語と共にその内容について熟知することが必要です。

RFMについて説明します。

1.RFMの言語とその定義

言語詳細意味
Recency (リーセンシー)最新(直近)購入日
・最後の購入からの経過時間
Frequency(フリークエンシー)購入頻度(回数)
・何回注文をくれたのか?
Monetary (マネタリー)購入頻度(回数)
・いくらの注文(受注)をくれたのか

補足情報
1.RFM+CTB(カテゴリ、テイスト、ブランド)
・現在はカテゴリとテイスト、ブランドなどのアイテムの情報を加えて使用することが多くなっています。
理由は、アイテムの情報を加えることで、RFMの受注効果をより高めることができるから。
例えると、定期的にお米を買った人と一時的にテレビを買った人では、RFMという一つの指標では、傾向の判断はできないということです。
2.RFM+顧客属性(年齢・性別・住所etc)
・顧客属性があれば、このような組み合わせでもみます。
3.RFMの名称の順番
・効率面においてその効果が高い順に記載されている。(条件付き)


これが、顧客を定義づける基準「RFM」の考えです。

2.RFMを活用する理由

なぜ、RFMを活用してお客様(顧客)をとらえていこうとするのか?は次の理由です。

お客様と企業の関係(繋がり)を客観的に表現できたり、把握することができる!

「いつ」「何回」「いくら」購入しているのかという関係が客観的に理解できます。

具体的に営業に例えるます。

毎週商談をしているAさん、最後に商談してから結構たっているBさんがいます。
R:最終購入、F:購入回数、M:購入金額
Aさん:R= 3日前 F=10回 M=30万円
Bさん:R=90日前 F= 3回 M=15万円

BさんよりAさんの方が、Rも近く、Fも高く、Mも高いといった購買状態が可視化できます。

さらに、恋愛に例えることもできます。

毎週デートをしているAさん、最後にデートしてから結構たっているBさんがいます。
R:最終デート、F:デート回数、M:デート金額
Aさん:R= 3日前 F=10回 M=30万円
Bさん:R=90日前 F= 3回 M=15万円

こちらもBさんよりAさんの方が、Rも近く、Fも高く、Mも高いといった関係状態が可視化できます。
(恋愛でいうなら、MよりもR・Fの方が重要な指標です。)

このように、個人もしくはグループの価値を判断するために考慮される測定基準として活用されます。

3.RFM値の基準値の作り方

定量的な数字情報をどやって作るのかを説明します。

基準を明確にしないと、比較ができません。基準を明確にする必要があります。

項目項目名基準値
最終購入1~9991:直近1か月以内購入。
8:の場合は8か月前が最終購入日
購入回数1~9991年以内の注文回数実数値。
同一日で複数注文は1カウント
購入金額1~99991年以内の注文回数。
1000円単位などにまとめる。

業種・業態、時期・期間、商材によっては、上記の手法は変動します。例えば、期間=3年や5年、もしくは3か月や1か月単位でみる場合もあるかと思いますし、金額の単位も1万円単位があう環境もあります。

具体的に定量数字にして基準値を作っていきましょう。

4.RFMの具体的な見方

RFM基準値のデータを集めると傾向を見ることができます

(オープンデータに適当な購買履歴データは置いてなかったため、RFMは仮定し自作しました。)

R値の注文発生確率の表とグラフです。

Rについて見ると、Rが直近なほど確率が高い傾向にあります。

直近1か月にアプローチがあった人は95%の高確率で成約するだろうという予測もできます。

補足情報
グラフのように確率だけで見る場合は「分母」に注意が必要です。
例えば、同じ50%でも、2人に1人と、100人に50人ではデータの質が異なるからです

他にも、見方はいくつかあります。

  • クロス集計(R×FやR×F×Mなど)して傾向をみる
  • 確率×顧客単価=1顧客当りの効率という見方をする
  • 他の指標を入れて相関関係を見る

データは「過去」の数字です。過去と同じ状況に対しては有効に活用できます。ただ、過去に前例がない場合でも、データを活用して仮説立てて予測することもできるようになります。

データが重要視される時代、デジタルに数字を読み、自身の行動に優先順位をつけ最大パフォーマンスを出せるようにしましょう。

5.顧客ランクと顧客クラスタ

さらに、RFMを活用した顧客の管理について説明します。

重要なポイントになります

現在、どの顧客にどの程度の販売力・影響力があるかを把握できるようになります。

将来の利益をもたらす顧客の量(数)・顧客の質(力)を定義する概念です。

<方法>顧客単位の「最終購入(R値)」と「購入回数(F値)」、その他で識別し分類します。

それぞれの項目を説明します。

項目基準(条件)
年注1年以内に注文のあった顧客人数(R<=12)
「アクティブ」顧客ともいいます。
2年注1年より前かつ2年以内に注文のあった顧客人数(13<=R<=24)
過去注2年より前に注文のあった顧客人数(25<=R)
新規該当シーズン内に初めて登録された顧客人数
育成前シーズン新規の未注発の顧客人数
紹介該当シーズン内に紹介を受けて登録された顧客人数
メルマガ希望メアドのみ登録顧客、メルマガアプローチできる顧客人数

時系列をイメージで表すと以下の通りです。

業界によっては購入回数(F値)を購入回数(M値)に変えてみること。
最適な軸を作って比較しましょう。

6.受注・損益分析

最後に顧客ランク・クラスタを作った軸で受注・損益を分析しましょう

<計算式>
注文金額=顧客の配信数×発生率(CV)×単価
利益=注文金額ーコスト(原価、配送、販促、人件費など)
配信効率=注文金額÷配信数

他にも、CPA、CPOやLTVなどの言葉も知っておいて損はありません。

CPA(コストパーアクション):1件あたりの顧客獲得コスト

  CPR(コストパーレスポンス)とも言います。

  (式)CPA=費用÷注文顧客数

CPO(コストパーオーダー):注文1件あたりにかかった顧客獲得コスト

  (式)CPO=費用÷オーダー数

LTV(ライフタイムバリュー):顧客生涯価値

  顧客がどの程度の利益・売り上げを生むかを測る指標

  (式)LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数×顧客の継続年数

  コスト継続顧客数分のコストを加味することで利益も把握できます。

以上、最適なターゲットにアプローチする手段を明確にするため、上記の指標を作って顧客管理をしていきましょう。

さらに、今後顧客管理の軸として考えていくこと

今までの考え方を応用して、あなたの事業の軸として関係が高そうな軸については、しっかりデータ収集をしていくことが大切です。

  • 年齢
  • 性別
  • 地域・住所
  • 登録時期
  • 注文商材別
  • 併売状況
  • サイト(チャネル)登録状況
  • アンケート回答有無
  • 家族構成
  • 年収
  • ライフスタイル
  • 趣味・趣向
  • 価値観

人は「考え方」を手に入れたとたん頭がよくなる生き物です。

この考え方があなたの考え方の一つとして活用いただけると嬉しいです。

まとめ:ポイント

今回は顧客の消費行動を管理するダイレクトマーケティングの顧客管理について紹介しました。

古くからの言葉(ことわざ)に「鉄は熱いうちに打て」というがあります。
この記事に当てはめるとR(リーセンシー)が直近なほど確率が高い、という考えです。
いろいろ書きましたが、恋愛でも仕事でも、スピード重視で冷めないように対応していくことが大切です。すぐにこの考えを使いましょう。

それでは、良い一日をお過ごしください。